コンピュータサイエンスイメージ

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コンピュータを用いた高度なITが広く浸透している今の社会。そういった「コンピュータ技術」や「コンピュータ活用」を指す用語として世界で広く用いられているのは「computing(コンピューティング)」です。

日本では「IT」とか「情報工学」、「情報科学」といった用語がありますが、どれも「computing」とはちょっと違います。「IT」は技術だけの話で活用という要素が無い。「情報工学」というとモノづくり的という意味での工学だけが含まれていますが、現在では情報を変換していくプロセスは自然界に存在する根本原理の一つと認識されています。(DNAという情報によってわたしたちの身体や心が左右されていることを考えてみてください。)「情報科学」というと逆に、バーチャル世界を構築したり、新たな生活様式を作り上げるという工学的な要素が排除されてしまいます。

英語にも「computer science」や「informatics」という語がありますが、上記と同じ理由で、computingという語が最も的確な語として使われています。

でもわたしたち日本人にとってはちょっと問題もあります。「compute」を直訳すると「計算」。だから「computer(コンピュータ)」は「計算機」と訳されたわけですが、すでにコンピュータは単なる計算を超えた様々な使われ方でわたしたちの生活を大きく変革してしまいました。でも「computing」というともっと訳しにくい。例えばクラウドやモバイルといった、新たな形態のIT活用。英語だと「cloud computing(クラウドコンピューティング)」「mobile computing(モバイルコンピューティング)」で済みますが、これを「クラウド計算」「モバイル計算」とすると全く違う意味になってしまいます。

computingがわたしたちの日常生活を支える今の社会。企業においても、新たな商品やサービスの実現にcomputingは不可欠です。コンピュータの仕組みやその限界の知識は、コンピュータ活用によって成り立っている今の社会人にとっての必須教養になったと私は思っていますが、その教養を身に着ける体系的な方法はまだないという現状は問題です。その要因のひとつは、そもそもcomputingやcomputerを意味するうまい訳語がないこともあるのかなと思っています。

このサイトではそれを「コンピュータサイエンスと情報科学」と呼んでいますが、本当に私がみなさんに伝えたいのは「コンピューティング」の楽しさとすばらしさ。数学的側面、工学的側面、そして科学的な側面を持ったこの刺激的な分野について、いろんな話題について書いていきたいと思います。お楽しみに!

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