多くの人にコンピュータとプログラミングがどのように世の中を支えているのか知ってほしい!という思いで書いているこのブログ。近い将来にはプログラミングが小学校・中学校で必修になるということが決まり、そうなれば、「自分はプログラミングが好きだ」「自分はプログラミングに向いている」という発見をする子も増えていきそうです。
関連情報:
- 「プログラミング、小中学校で20年から必修化 政府方針」、日本経済新聞、2016年4月19日
- 「今すぐ始めるプログラミング」、週刊東洋経済5月16日号
そこで今回は、「どんな子がプログラミングに向いていそうか?」というお話しです。
プログラミングに向いている子
わたしは「言葉に敏感な子」はプログラミングに向いていると考えています。曖昧昧な言い回しや複数の解釈の存在に気づく、そんな子たちのことです。それではなぜ、「言葉に敏感」という性質がプログラミングに役立つのでしょうか?それは、コンピュータは本当に物わかりの悪い機械だからです。
コンピュータは、プログラムに書いてあるとおりのことを実行します。書いていないことは絶対にやらないし、間違って書いたこともそのとおりに忠実に実行します。なので、プログラムを書く時には、「やってほしいこと」を正確に書く必要があるのです。
ちなみに、言葉の細かな意味を気にする人は数学者にも向いています。こう書くと驚かれる方もいると思いますが、数学というのは数だけを扱う学問ではなく、いろんな物事の陰に潜むパターンを解き明かす学問。それを言葉だけで論理を構築していくので、言葉の意味がとても大事だからです。
プログラミングに大事なこと
プログラミングは、日常会話とは違います。「当たり前」や「常識」はコンピュータには通じません。とても限られた語彙のなかで、意図を正確に伝えなければならないのです。
そうすると、「わたしの言いたいこと」と「プログラムに書いたこと」は同じかどうかをよく考えるスキルが必要です。例えば、手元に数のグループがあるとしましょう。そのとき、
- このグループの中で一番大きい数は30だ
- このグループの中の全ての数は30以下だ
という文は意味が異なる、ということがわかるスキルが大事になってきます。
ちなみに、以下の2つの文は、「このグループの中で一番大きい数は30だ」と同じ意味です。
- このグループの中にある任意の数Xを考えたときに、もしXよりも大きい数がグループ内に存在しないならば、Xは30に等しい
- このグループの中の全ての数は30以下で、かつこのグループには30が入っている
言葉に敏感な子、言葉の意味を考えることが好きな子たちがプログラミングを楽しめる、プログラミング教育がそんな機会となるよう願っています。
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(かながわグローバルIT研究所 森岡剛)
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