2進数トランプの「バイナリートランプ」。いつもの数がちがってみえる、楽しいトランプです。

2進数に親しんでもらいたい、という想いで開発した「バイナリートランプ」ですが、ただ数字を2進数にしただけではありません。

2進数の不思議さと奥深さを感じてもらえるように、デザインにも凝っています。今回は、そのデザインの工夫天について解説します。

この記事でお見せしている画像は、ゲームマーケットの販売ブースで無料配布している印刷物のものです。

もしゲームマーケットにお越しの際は、ぜひお手にとって、「バイナリートランプ」のデザインを楽しんでみてください!

 

スートマーク、表面のデザインと2進数、カード裏面模様

スートマーク、表面のデザインと2進数、カード裏面模様の秘密

  • スートマークは通常のトランプと同じく、の4種類ですが、そのマークのデザインをよくご覧ください。実はスートマークも、「0」と「1」の組み合わせでできているのです!
  • カード中央の図形のようなものは、2進数における位取りの方法に基づいています。こちらは、画像のほうをご覧いただくか、こちらの記事を参照いただけるとわかりやすいです。
  • そしてカードの裏面。「バイナリートランプ」はオレンジ、「エキスパート」は緑ですが、ごちゃまぜになっている模様をご覧ください。実はこれは、スートマークの部品となっている「0」と「1」でできているのです!

 

ジョーカーデザイン

「バイナリートランプには絵札がありません。しかし数字札だけだと、ちょっとさみしいですよね。なので、各スートの「0」に当たるジョーカーには絵柄を盛り込んでいます。

ジョーカーデザインに秘められた2進数の歴史

  • ジョーカーは各スートに1枚ありますので、合計4枚のジョーカーがあります。
  • でも、カードの肩には数字ではなく、数学で「からっぽ」を意味する記号を配置しています。パッと見ると「0」やギリシア文字の「Φ」に思えるかもしれませんのでご注意!
  • そしてカード全体は、「天と地の間の万物を生み出す0と1」を意味しています。カード上部は天、下部は地ですね。お日さまとお月さまがいるのも、中央の円が世界(地球)であることをイメージしています。
  • よく見ると、昼と夜で、お日さまとお月さまの表情が違いますよ!
  • 中央の円の上半分はスートマーク部品でできていますが、下部は何やら不思議なラテン語の文が書いてあります。
  • そのラテン語の文とは「OMNIBUS EX NIHILO DUCENDIS SUFFICIT UNUM」。「0と1からすべてがうまれる」という意味です。
  • このラテン文と絵柄は、実はあの有名な数学者ライプニッツがデザインしたといわれる、2進数メダリオンが元ネタです!

なぜライプニッツかというと、実は彼は、ヨーロッパにおいて、2進数を体系的に研究しその成果が広く知られた数学者でもあるのです。

微分積分の発明で有名な、数学者ライプニッツ(1646-1716)
(Christoph Bernhard Francke [Public domain], via Wikimedia Commons)

そのライプニッツがデザインしたといわれる、2進数メダリオンはこちらです。(2つあるうちの1つを示しています。ラテン文が「バイナリートランプ」のものと同じことに注目ください!)

「万物を生み出す力を持った2進数」を表現したメダリオンのデザイン。1718年にJohan Bernard Wiedeburgが出版した冊子の表紙に掲載されました。

ジョーカーデザインについては以下の記事もぜひご覧ください!

(かながわグローバルIT研究所 森岡剛)