知っているようで知らないコンピューター。それではもったいない!コンピューターの面白さをたくさんの人に知ってもらいたい!そんな気持ちでいろんな記事を公開している本サイトですが、今回はスーパーコンピューターについてです。
国産スーパーコンピューター
スーパーコンピューターとは、最新技術の中の最新技術を駆使して、処理性能を可能な限り高めた「おばけコンピューター」。
日本の国産スーパーコンピューターと言えば「京」や「地球シミュレーター」が有名。どちらも、運用開始時には、世界のスパコンランキング(TOP500)で堂々トップの地位に輝いていた、世界に誇れるスーパーコンピューターです。
スーパーコンピューターの開発競争は熾烈で、トップはどんどん入れ替わります。「京」も「地球シミュレーター」もトップの座を譲り渡して久しいですが、日本はさらに「ポスト京」の開発でトップの地位を狙っています!応援しましょう!
- 「ポスト「京」について」、理化学研究所計算科学研究センター
筆者は2018年、わざわざ「京」と「地球シミュレーター」の展示を見に、理化学研究所計算科学研究センター(兵庫県神戸市)と海洋研究開発機構(JAMSTEC)横浜研究所(神奈川県横浜市)を訪れたというコンピューター好き。こちらがその時の写真です。
スーパーコンピューターとは何か
今の世の中、いろんなコンピューターがわたしたちの日常生活を支えてくれているわけですが、それらを一般の人が意識することは少ないと思います。中でもスーパーコンピューターは、日常生活からはちょっと遠く思えるかもしれません。
そもそもスーパーコンピューターとは何なのか?「京」を運用している理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS)の最近のツイートがわかりやすいです。
#140字で知るスパコン NO.1
スーパーコンピュータは、超高速で計算を行うコンピュータです。正確な定義はないですが、家庭用のパソコンと比べると千倍以上速く、「京」の場合はパソコン数十万台分の速度です。
多くの計算が必要な企業や研究機関で主に使われます。https://t.co/GC3S1lY7Sw— 理研 計算科学研究センター (@RIKEN_RCCS) 2018年12月12日
普通のコンピューターとの違い
スーパーコンピューターは性能を極限まで高めた巨大コンピューターですが、その基本的な仕組みは普通のコンピューターと変わりません。プロセッサー(CPU)があって、メモリーがあって、ハードディスクがあって、GPUやキャッシュメモリがあります。OSがあって、プログラミング言語があって、各種ミドルウェアがあります。
実はスーパーコンピューターと普通のコンピューターは、「できること・できないこと」で言うと全く同じなのです。スパコンにできることは、普通のパソコンにもできます。ただ、大量のメモリーと膨大な計算時間がかかるので実用的ではないです。でも、「できるか、できないか」で言えば必ず普通のパソコンにも同じ計算結果が出せます。
これがコンピューターの面白いところです。全てのコンピューターの理論的性能は平等なのです。(「できるか、できないか」で考える性能のことです。)
ほかの機械はそうではありません。例えばトラック。2tトラックも10tトラックも同じトラックですが、10tトラックでは運べても、2tトラックでは運べないモノはたくさんあります。
でもコンピューターは違います。スーパーコンピューターにできることは、普通のパソコンにもできる。ただ、膨大なメモリーと膨大な計算時間が必要です。
そういう意味でも、R-CCSの上記のツイートも「家庭用のパソコンと比べると千倍以上速く」と書いてあり、「家庭用パソコンにできないことができる」とは書いていないというのは実に的確なのです。
天気予報や気候変動シミュレーション、新幹線や航空機の形状設計やいろんな製品開発でも活用されているスーパーコンピューター。わたしたちもその恩恵を受けています。
これからも、国産スーパーコンピューターを応援していきたいですね!
関連記事:
- 「スーパーコンピューター「京」見学記」、かながわグローバルIT研究所、2018年9月11日
(かながわグローバルIT研究所 森岡剛)
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