【変数】プログラマーのための「情報の収納ケース」
プログラムは、材料となる情報を加工し、成果となる情報を作る作業の流れを書いたものです。そこで必要になるのが、プログラムが扱う様々な情報を収納しておくための入れ物。実際にはメモリアドレスがこれに当たりますが、プログラマーがメモリアドレスまでいちいち気にしてプログラミングするのはかなりきついです。

【変数】プログラマーのための「情報の収納ケース」
そこで登場するのが「変数」。メモリアドレスの別名なのですが、変数を使うことでプログラマーは、メモリ上のどのアドレスに情報が格納されているのかを考える必要が無くなり、情報加工作業の流れだけを考えてプログラミングすることができるようになりました。
インタープリタ型言語では、特段の準備作業無しに変数を使えるものもありますが、コンパイル型言語では先に変数を宣言してから利用するのが一般的です。変数の使い方を事前に宣言しておくことで、それに外れるような変数の誤用をコンパイラが自動的に発見できるようにするためです。
変数とメモリアドレスの関係

変数とメモリアドレスの関係
例えば個別の取引のIDを32ビットの整数で表現しているとします。1件の取引IDは4つの連続するメモリアドレスに格納されることになります。プログラムから取引IDを参照する際には、4つのアドレスを正しく指定しなければなりません。
また、「この32ビットは取引IDである」という情報はどこにもありませんので、誤って別の種類のデータ(顧客IDなど)として扱ってしまわないようにするのはプログラマーの責任です。
プログラミング言語では、32ビット整数型の変数を設けて、それに「torihikiID」といったわかりやすい名前をつけることができます。実際にはメモリのどこかの4つのアドレスに格納されているのですが、プログラマーはそれを一切気にする必要はありません。
変数名を見れば、この32ビット整数を取引ID以外として扱うのは誤りだとわかります。また、整数に対して行うことのできない操作(演算)をしようとするプログラムは、コンパイラによって自動検知されます。
変数の宣言と利用

変数の宣言と利用
変数を使うためには、前もって「これから使う変数はこれです」と宣言しておく必要があります。プログラマーが想定しているその変数の用途をコンパイラーに伝えておくためです。想定用途に外れるような処理をプログラムに書いてしまった場合、コンパイラーが自動的に検知して警告してくれます。
変数利用の基本は「代入」

変数利用の基本は「代入」
変数の最も基本的な使い方は「代入」です。代入のプログラム文は「=」を使った数式のような書き方が多いですが、数式とは意味が違います。
4つの基本的な型

4つの基本的な型
- 整数型(intなど)は、最も基本的な型で、サイズは32ビットであることが多いです。
- 実数型(floatなど)は、浮動小数点という仕組みで表現した実数を格納します。
- 文字型(charなど)は、文字を1つ格納できる型です。繋げて文字列を作るのにも使われます。
- 真偽値型(boolなど)は、真と偽のどちらかの値しか取れない変数です。条件判定時の論理演算などに使用します。
演算子

演算子
変数に対して行う操作を演算と呼び、プログラムでは演算子を用いて表記します。すでに出てきた「=」も代入という演算子です。
大きく分けて、算術演算子、関係演算子、論理演算子があります。代表的なものを幾つか見てみましょう。
実際の使い方
変数の使い方のイメージを、Cプログラムの例で見てみましょう。
(変数以外の部分は省略しているので、実際にはこのままでは動作しません。)

実際の使い方